Do you like Horror Movies??
2004/8/12号

夏だ!ホラーだ!! それではどうぞ!

オードリー・ローズ  監督:ロバート・ワイズ  出演:アンソニー・ホプキンス、マーシャ・メイスン
Audrey Rose  1977年 アメリカ映画
私評:広告会社に勤めるビルとその妻ジャニスは、一人の妙な男エリオットに出会う。彼は二人の娘のアイビーが交通事故で死んだエリオットの娘、オードリーの生まれ変わりだというのだ。そんなある夜、アイビーが発作を起こす。狂ったように「体が熱い」と泣き叫ぶアイビー。しかし、偶然その場に居合わせたエリオットが「オードリー」の名前を叫ぶと、アイビーの発作は治まった。エリオットは彼がかつてインドで見た輪廻転生思想について語るがビルは納得できず、二人は諍いを起こしエリオットは逮捕されてしまう・・・。この映画の監督はあの名匠ロバート・ワイズ(ウエストサイド物語、サウンド・オブ・ミュージック)。それゆえか?この映画はホラーというジャンルを超え、感動さえおぼえる作品だった。輪廻転生してアイビーに乗移ったオードリー。体はアイビーでも、心はオードリーになってしまったら。そして話はアジアの輪廻転生思想にまで至り、どんどん膨れ上がっていきます。そしてちょっと信じられない幕切れ・・。これはちょっとショックでしたね〜。主演はエリオット役でアンソニー・ホプキンス、アイビーの父親はジョン・ベック、そして母親役はマーシャ・メイソン。これもホラーの名作と呼んでイイのでは??
ハウス  監督:大林宣彦  主演:池上季実子、大場久美子、南田洋子
House  1977年 日本映画
私評:高校生の仲良し7人娘は、夏休みを利用してメンバーの一人、「オシャレ」の叔母さんの家に遊びに行くことにした。車椅子のオバチャマは若い娘たちを歓迎した。大きな家に大はしゃぎの娘たち。しかし、この家は何か変だ。オバチャマは若い頃に最愛の許婚を戦争でなくし、この家にひとりで暮らしていた。しかし、オバチャマは実はもうこの世の人ではなく許婚を心待ちする強い意志から幽霊として蘇り、この家に棲みついていたのだ。そうとは知らない少女たちは、様々なトラップにかかり次々と「家に食べられてしまう」。そして家が娘を食べるごとにオバチャマは若さを取り戻していく・・・・大林宣彦監督のファンタジー映画。これもホラーというジャンルだけでは括ることができない映画です。まずは、笑える。とにかく、この7人の女の子がみんなあだ名で呼び合っているのですが、これが寒〜いくらいベタなんです。大場久美子演じる「ファンタ」、松原愛が演じる「ガリ」(ガリ勉だから)、神保美喜が演じる「クンフー」、その他「メロディ」、「スウィート」「マック」(いつもお腹が減っているのでストマックから)。こんなあだ名で呼び合っていたら殴りたくなりますよね(笑)。そして奇抜な特撮も要注目。アニメとの合成やカメラワークでの錯覚を利用した、なかなかの撮影技術。当時はCGなんてなかったからね・・。音楽は当時大人気だった「ゴダイゴ」のミッキー吉野。ピアノのテーマ曲が妙に耳に残っています。久々にこの映画を見たいですね〜・・・。
ペット・セメタリー  監督:メアリー・ランバート  出演:デイル・ミッドキフ、デニース・クロスビー
Pet Sematary  1989年 アメリカ映画
私評:田舎町の大学病院の委員長に選ばれたルイスは妻と二人の子供を伴い、この町へと越してきた。しかし、彼らの家の、前の道路は大型トラックがすごいスピードで走っておりルイスは驚いてしまう。妻と子供たちが留守のとき、娘が可愛がっていた猫がトラックに轢かれて死んでしまう。その時、向かいの家に住むジャドは森の先にある「ペット・セメタリー」の存在を教える。そこはインディアンの呪いが掛かった土地で、死者を葬ると蘇ってくるという魔力を持っていた。しかし、生き返った者は生前の人格ではなく邪悪な魂を宿してくるのだ。言い伝えどおり猫は生き返って家に戻ってきた。そんなある日、庭で家族団らんのひと時を過ごしていたルイス一家。しかし、彼がちょっと目を話した隙に末っ子のゲイジがトラックに轢かれ命を落としてしまう。悲しみに打ちひしがれるルイスだったが、彼はもうゲイジをペット・セメタリーに埋めることを決めていた・・・もしも、自分の最愛の人が急に命を落としてしまったとき、そこに「ペット・セメタリー」があったらあなたはどうします??それが良くないことだと分かっていても、そこを使ってしまうのでは?? 良い行いと悪事、愛情と罪悪って背中合わせのようでいて、実は紙一重だったりするのです。この映画はすごく怖い映画です。でも、その怖さは「もしかしたら、自分も・・」と思えるから怖いんです。そしてこの映画は悲しい映画です。ホラーなのに涙が出てきました。その辺りのテイストが原作者のスティーブン・キングの真骨頂なのです。これは最恐にして最哀のホラー映画です。 
スウィートホーム  監督:黒澤清  出演:宮本信子、山城新伍
Sweet Home  1989年 日本映画
私評:故・間宮画伯の屋敷に乗り込んだテレビ取材陣。ディレクターの秋子、プロデューサーの星野、カメラマンの田口、キャスターのアスカ、そして夏休みを利用して父親の星野に着いて来たエミ。この屋敷には画伯が残した幻のフレスコ画があると言われていて、今回はその存在をカメラに収めるのが彼らの仕事。しかし、この屋敷に着いた途端、アスカが奇妙な行動をとり始める。何者かにとり憑かれ、この家の子供の墓を掘り起こしてしまう。そして田口はこの家の霊を封じ込めていた供養石を壊してしまう。ついにこの家の強大な霊たちが姿を現し、ひとり、また一人と命を落としていく。そしてその刃がエミに向けられようとしたとき、秋子の母性が目を覚ます。そして間宮家の霊と秋子が相対したとき、この家の悲しい歴史が紐解かれる。それはあまりに無残な物語だった・・。これは今は亡き伊丹十三氏が製作総指揮をして、今や日本のホラー映画界では有名な黒澤清が監督を務めた作品です。当時にしてみればけっこうすごい特撮で、かなり怖いシーンもありました。しかし、この映画の核にあるのは「母親の愛の強さ」なんですね。秋子はエミの母親ではないのですが、彼女の中に眠っていた母性が奇跡を起こすのです。秋子役には伊丹映画の看板、宮本信子。星野役にはとぼけた感じがすごくイイ山城新伍、田口役は報道ステーションの古舘伊知郎、アスカ役は黒田福美、そしてエミ役はNOKKO。(このNOKKOがサイコー!)近くに住む老人役で伊丹十三も登場します。


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